デザインへの追求が生んだ、伝統と新しさの融合
モノにおける、「フォルム(形状)」と「デコレーション(装飾)」。
完成形を見ると、どちらも相互に影響し合って一体となっている。
そこに最大限の焦点を当てたのが、フランス人デザイナーであるピエール・シャルパンのコレクション。
まずは形状を決め、そこから展開していく中で装飾が生まれていく、それが従来のデザインの流れ。
それに対し、「PC“Outline”」は形状と装飾を同時にデザインするという、彼にとって新しいチャレンジでした。
PC“Outline”は、有田焼の伝統と新しいインスピレーションを融合させたコレクションです。
有田焼が誇る「装飾」について紐解き、それを世界に発信するための丁度良い「形状」。
特に「エッジ(器の縁)」のデザインは、彼にとって最大の課題だったといいます。
日本の器が持つ手に馴染む感覚は特徴的で、そこにはエッジも影響を与えます。
ただ、特徴としてまた機能面として、どこまでのエッジを必要とするのか?
そんな自問自答を繰り返し辿り着いたのが、エッジに沿って並ぶわずかに隆起した装飾。
シンプルな装飾の中で、その凹凸が光の反射により心地よい陰影を生み、素材感を浮き上がらせます。
また、ドローイングを得意とする彼は食器の縁を額縁と見立て、料理をアートのように飾ることで成立する器に仕上げました。
あえて中央部に余白を残すことで料理が映える、そんな新たな特徴を加え完成させたのです。
日常の食卓使いの器に加え、飾って暮らしを彩る“エディションシリーズ”も発表しました。
6種類の大きなプレートに、ピエール・シャルパンによる“アラベスク”のドローイングを大胆にあしらった作品。
彼は職人の高い絵付け技術に感銘を受け、それを有田の財産と捉えています。
デザインへのあくなき追求と有田焼の伝統へのリスペクト、そして新しい発想がもたらした器。
そのメッセージが世界の食卓へ届けられます。
ピエール・シャルパン / Pierre Charpin
1962年にパリ近郊のSaint-Mandéに生まれる。1984年にthe Beaux-Arts de Bourgesを卒業。
1990年代初頭頃から家具やオブジェのデザインに打ち込んできた。とりわけ1998年-2001年のCIRVA(www.cirva.fr/fr)、2003年-2005年のCRAFT(www.craft-limoges.org)など、国際的な芸術研究機関で行ってきたような実験的なプロジェクトに、活動の重点をおいてきた。
アレッシィ、エルメス、リーン・ロゼ、HAYといった著名なメーカーへのデザイン、日本のものづくりの現場と海外デザイナーのコラボレーションプロジェクト「ジャパンクリエイティブ」への参加、The Wrong Shopなど幅広い分野で世界的に活動を行っている。
2005年より、ピエールのリミテッドエディション製作の管理は、パリのデザインギャラリー「ギャラリークレオ」が行っている。パリで開催されているメゾン・エ・オブジェにて、2017年1月にデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
www.pierrecharpin.com
コンテンツ / テキストデザイナー紹介
Contents / Text Designers
/ 安達 剛士 Tsuyoshi Adachi
コンテンツ・テキストデザイナー。1982年、鳥取県生まれ。
北欧インテリアショップに10年以上勤務し、鳥取、東京で約8年間店長を経験。
北欧の暮らしにある本質的な豊かさに魅了され、自分らしさを楽しめる暮らし、コーディネートを多数手掛けた。
加えて北欧家具メーカー輸入代理店のブランドマネージャー経験も活かし、
2022年より故郷の鳥取に戻り有限会社フォーリア・インテリア事業部を設立。
ディレクション、コーディネートなども含め広くインテリアに携わる。
仕様Spec
商品名 |
PC Tea Box |
生産国 |
国産(日本製) |
その他 |
量産に適した「圧力」という成形方法のため、仕上がりのサイズに個体差が生じます。商品不良ではございませんので、あらかじめご了承ください。
商品によってはhandmadeでの色の吹き付けをしておりますので、多少の色の濃淡や釉むらがございます。
稀に模様部分の色柄が落ちる(薄くなる)ことがあるため、手洗いでの洗浄を推奨いたします。 |